コスモスポーツ L10AエンジンO/Hレポート【第12回】
チェーンブロックでエンジンを持ち上げ、車体に戻す。伝送系やパイプ類を接続。
エンジンオイルを入れる。通常は4リットルだが、オーバーホール直後は5リットル投入。ラジエターには3リットルの冷却誌を満たす。エアクリーナーケースを装着し、ラベル類を張る。
セル1発で軽快なアイドリングを開始。10A型エンジン見事に復活!
約1年に渡る長期連載でしたが、お付き合い頂きありがとうござました。
後日談
73年2月24日あの納車以来、ワンオーナーで37年半。18万8千kmの道のりをともに過ごしてきた、オーナーのSさんとコスモスポーツ。過去に3回のエンジンオーバーホールを行ったが、4回目の今回は一番劇的な変化を体感できたという。
「エンジンをかける前の儀式」として、まずはアクセルを数回パタパタ踏んでからセルモータを回して始動。
その後はチョークを引いて、1500rpmくらいをキープしているのが当たり前だと思っていました。しかしオーバーホール後は、
アイドリングが1000rpm以下、暖まると800rpmくらいをキープしていて、そのままクラッチをつないでもエンストしないで発進するんです!
使うギアも、以前は2速、3速が中心でしたが、トルクが出たことで、3速、4速になりました。まるで夢を見ているような気分ですね。
昨年にドイツに遠征。現地では快調だったが、帰国後不調となり、そして今回の復活。
「あと20年は大切に乗りたいと思います」
エンジン台を回転させて、新品のクラッチカバーを取り付ける。
オイルストレーナーとオイルパンガスケットを取り付ける。10A型はパッキンが常にオイルに漬かっている状態になるので、液体パッキンも併用する。
再塗装で化粧直しをしたオイルパンを装着。プレートやナットもクロメートメッキしなおしてある。
残っていた2本のテンションボルトをアンダーブラケットに通してからウォーターポンプを取り付ける。
2本あるディストリビューターを装着。
オイルプレッシャースイッチ、オイルストレーナーベース、オイルフィラーパイプなどを取り付け、オイルレベルゲージを入れる。
オイルネーター、ファンドライブ、ファンベルトなどを取り付ける。
インテークマニホールド、エキゾーストマニホールドを装着。インマニのガスケットは製造中止のため再使用。
エキマニは新品を取り付ける。エンジンマウントを取り付けた後で、キャブレータを装着。続きは次回に続きます・・・次回最終回です!
リア側ローターハウンジングを載せる。組み立てにあたっては液体パッキンも使用して、ハウンジング間の密着度を高めている。
リア側のロータにアウター&インナースプリングとアペックスシールを押し込む。
シーリングラバー、スクエアリング、テンションボルト0リング、チューブラダウエルピン0リングなどを埋め込む。
5枚重ねたハウンジングを密着させる役目を負う、17本のテンションボルトを通す。
このボルトは鋼でできており、締め付けトルクは37.27N・m。
リア側のステーショナリーギアを装着。ふつうの車では交換することはないが、新品を取り出して交換した。
フライホイールを装着する。
エンジン台を回転させてフロント側を上に向け、カウンターウエイトを取り付ける。
フロントカバーを装着し、その上にクランクプーリーを組み付ける。続きは次回に続きます・・・
いすゞ 117クーペ(E-PA96)とマツダ コスモスポーツ(L10B)入庫しました。
コスモスポーツはフルレストア済みのコンクールコンディションとなっています。
詳細はお問い合わせください!
フルレストア済みのコンクールコンディションの車両です。
詳細はお問い合せ下さい。
排気量:1.94l 欠品無し。ボディーも良好な一台です!
フロント側のロータを置いてから、エキセントリックシャフトを入れる。
フロント側のローターハウンジングにシーリングラバーアウターとスクエアリングを、医療用のワセリンはゴムを侵さないので使用。
ローターハウンジングを裏返してローターのまわりにかぶせる。
ローターのコーナーシールの隙間からアウタースプリングとインナースプリングをいれた後、アペックスシールを押し込む。
アペックスシールのサイドピースをワセリンとともに押し込み、再びシーリングラバーを埋め込む。
インターミディエイトハウンジングを取り出し慴動面にオイルを塗っておく。
インターミディエイトハウンジングのフロント側を下にして載せる。
リア側のローターを用意してサイドシールなどにオイルを塗布。
インターミディエイトハウンジングのリア側にエキセントリックシャフトを貫通させたかたちでリア側のロータを載せる。続きは次回に続きます・・・
ローターにサイドシールスプリングとサイドシールを埋め込んでいく。片側3本、ローター1個左右で6本、2ローターで合計12本。
金属製アペックスシール用コーナーシールに、絶妙な隙間を持って接するサイドシール。
右はL10A前期型用のロータ。オイルシールが製造廃止で、オーバーホールはできない。
内側と外側、2本のオイルシールを4カ所とも新品に交換する。
上がカーボンアペックスシールで、下が寸法を縮め、3分割した10A型用金属製アペックスシール。
下のサイドシールは、左がカーボン用で右が金属用。金属製シールは切り欠きの位置を手作業で修正する必要あり、ノウハウがないと組み込み事は不可能だ。
装着されていたステーショナリーギア(左)は、メタルが削れいたので新品に交換した。
フロント側のサイドハウンジングにステーショナリーギアとニードルローラーベアリングを装着。
私がフロント側からエンジンを組み立てられるように改造したエンジン台。それを回転させて慴動面を上に向け、オイルを塗布。続きは次回に続きます・・・
今年も7月7日、7の日恒例のロータリーエンジン搭載車のお祭り「マツダ チューニングフェスタ筑波」に参加させて頂きました。
今年は震災の影響も抱え開催もどうなる事かと思いましたが、チャリティを兼ねての開催となりました。
RE雨宮さん発起での開催で、ホットバージョンの収録もあり平日にも限らず多くの参加者やショップで大賑わい。
心配の天候も曇り空でパラ、パラと一瞬雨が落ちた程度で何とか一日持ちこたえました。
コスモスポーツオーナーズクラブからは11台の参加があり40年経過した車とは思えない走りを披露、車と並行して加齢したオーナーも年齢を感じさせない走りでした。
他にもRX-7やRX-8が思い思いのチューニングを施し筑波の走りを楽しんでいました。
弊社もコスモスポーツと767Bを持ち込みロータリーエンジンの復興と次世代への伝道のため参加させて頂きました。
時期ロータリー搭載RX-9の早くの登場を期待致します。
(a)エンジンを分解した直後のフロントのサイドハウジング。
ローターの回転によって慴動面に多数の傷が付いている。
インターミディエイトハウジングの2面とリアのサイドハウジングも
同じようにたくさんの傷が付いた状態だった。
(b)慴動面を研磨加工をしたことによって、このように平滑な状態に戻すことができた。
(c)インターミディエイトハウジングのフロント側。
(d)同じくリア側。
(e)リアのサイドハウンジング。
それぞれ溶射されている炭素鋼へのダメージがなかったので再使用した。
(a)カーボンが付着しオイルスラッジなどがこびり付いた状態だったローター。
こちらもカーボンの剥離や洗浄を行った。
(b)スッキリときれいになったローターはチャックしてみたところ再使用しても問題ない状態。
ちなみにこのローターはL10Bコスモスポーツのオリジナルではなく、前回オーバーホールした時に、S102サバンナ用のローターに交換されている。
(c)(d)(e)オーナーが手配した新品のローターハウンジング。2ローターなので、フロント用とリア用で同じものを2枚使用する。
続きは次回に続きます・・・
取り外したリア側のローターハウジング。ダメージはフロント側より写真のリア側の方がひどかった。
内側の慴動面にはメッキの大きな溝があった。
プラグホールにクラック(前回 / 第5回 の画像のアップ)。プラグホールの左右方向にクラックが入っているのがわかる。オーバーホールに当たってはオーナーが手配した新品のロータハウジングとの
交換が必要になる。
フロント側のロータハウジングのプラグホールにもクラックが入っていた。こちらも新品と交換する。
取り外したサイドハウジングの状態。それぞれ慴動面に傷が付いてはいるが、深いものはなく、改めて研磨を行う程度で再利用できそうだ。画像はフロントのサイドハウジング。
インターミディエイトハウンジングのフロント側。
インターミディエイトハウンジングのリア側。
リアのサイドハウジング。コスモスポーツのL10A型エンジンは、当時、砂型を使ってアルミ合金を鍛造しており、ハウジングの外側にその面影が見て取れるのが興味深い。
おむすび型のロータ。カーボンの付着はあるが、問題なく再利用できる状態。ちなみに前回のオーバーホール時にS102サバンナ用のロータに交換されていた。 続きは次回に続きます・・・
雨天未使用・サーキット未使用のロータスエリーゼ(フェイズI)が入荷しました。
走行距離は6,493km 程度は極上です。
詳しくはコチラをチェック!
車輛重量 750kg 程度極上 雨天未使用 サーキット未使用
下のプラグホールにクラックが入っているのを発見。
ここからハウンジング内に冷却水が漏れていたことが、エンジンがかからなくなった大きな原因だった。
この後、フロント側のロータを外したが大丈夫だった。
カーボン製の純正アペックスシールは減り方も含めて問題なし。
インターミディエイトハウジングを外す。
リア側のロータが出てきた。こちらのロータハウジング内にも冷却水が漏れていたようだ。
レシプロエンジンのクランクシャフトに相当するエキセントリックシャフトも、問題なかった。
リア側のサイドハウンジングの慴動面をツールでコンコン叩きながら炭素鋼が中で剥離しているかどうかチェック。
続きは次回に続きます・・・
【V SPEC】車高調・RSワタナベアルミ+ADVANネオバ・軽量フライホイール・クスコLSD